正蔵坊の歴史と沿革
正蔵坊は浄土真宗本願寺派(西本願寺)の寺院です。現在所在地は大田町末広です。寺院縁起によりますと「明徳元年(1390)、円空師が深く本願寺に帰依し、出家して鳥越村(現在の鳥井町鳥越)に一宇を建立し、正蔵坊と号す」と伝えられています。正蔵坊は、その開基から数えて、現在までに620年の歴史を刻んでいます。
そして第五世松獄院明恩が、信者の求めに応じて、本山より木仏本尊の下附を受け、鳥越正蔵坊を廃寺にして、大田の現在地に建立したということです。したがって大田正蔵坊は天文11年(1542)が創立の年になっています。
昔から「出雲御師(神職)に石見門徒」といわれますように、この石見地域は全国的にも真宗寺院が多く、「石見門徒」と呼称されるほど篤信な信徒を輩出した土地柄であります。
現在の本堂木造建築は、第十七世道明の時代に建立されたものですので、江戸時代、文政の末頃と推察せられ、現在に至るまでざっと200年の年代を経ています。
そして2011(平成23)年には釈憲香が第二十四世の法灯を継承する法要が営まれます。